不動産投資の公開パターン
新型GOTの画面からは販売計画表を見ることができる。
その中には粗利益も表示されるため、利益を意識した販売計画が売り場で作れるようになった。
商品分野別に当日の時間帯別売上情報が表示されており、閉店までにどの程度の売り上げが必要になるのかも売り場にいながら考えることができる。
売り上げ目標達成のために売り場の陳列をどう作り変えるのか、値下げのタイミングなども、計画的、機動的にできる。
Dは新型GOTのほかに接客用の小型の注文端末を配置した。
客からの注文をこの端末にインプットすると、厨房にあるモニターディスプレーに瞬時に表示され、調理が始まる。
結果として注文を受けてから料理を出すまでの時間が短縮され、サービス向上につながった。
これまでは紙の伝票や口頭でオーダーを厨房に伝えていた。
注文端末によって人為的な連結ミスや思い違いが防げるようになった。
業績が伸び悩み気味のY堂やDにとって、システムの統合はS89流の店舗運営ノウハウ移植という意味を持っている。
Sの情報システムは、海外から見ても、極めて高度なものという評価がある。
第5次総合情報システムの取り組みは、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード・ビジネススクールのケーススタディとして取り上げられたほどだ。
そんな高度の情報システムも最初は泥臭く、原始的なものだった。
創業当初は店舗からの注文は取引先などに電話で行っていた。
取引先は受注票を作成し、出荷指示書を書く。
この出荷指示書をもとに倉庫に行き、受注した商品をピックアップして納品書を書き、請求書も作成する。
この間、電話の聞き取りも含めてすべて手作業で行われていた。
当然のことながら、発注した商品が正確に店に届かないケースが続出した。
取引先が集約されていない時代であり、1店舗で約70社に注文を出していた。
店側は発注の電話をするだけで他の仕事ができなかった。
取引先も徐々に店舗数が増えるSから個別に電話がかかってくると、事務作業で忙殺されてしまっていた。
1978年、電話発注に代わる手段としてS本部は商品名の書いてある注文伝票を各店舗に配布し、店側に必要な商品数量を記入してもらうことにした。
その伝票をOFCが毎日回収して、地区事務所では担当者がコンピューターに打ち込んで取引先向け伝票を作成し、取引先に渡すという方法をとった。
電話注文に比べると格段に効率は高まったが、伝票作成時には人の手による作業が伴い、どうしてもミスが発生してしまう。
根本的な解決策にはなっていなかった。
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